舞台劇『地底の歌=荒木栄の生涯』台本
「がんばろう」や「沖縄を返せ」、「心はいつも夜明けだ」などで知られる、労働者作曲家の荒木栄を主人公とした舞台劇の台本です。
全128ページの活版印刷(一部ガリ版刷)で、書き込みもあり、実際に使用されたもののようです。一般に販売されたものではないので奥付などはなく、いつ頃のものなのかは分かりません。内容の情報から5月27日が土曜日の年だとは分かるので、1967年か1972年のものだと思われます。
色々と調べると劇団「橋」の活動歴はいくつか分かったものの、この作品の上演情報は確認出来ませんでした。
神谷国善著『労働者作曲家 荒木栄の生涯』(新日本出版社 1985年10月25日初版)によると、村山知義・山崎欣太・稲垣純の共作で「ある労働者作曲家の生涯」という舞台劇が創作され、1966年10月に、東京芸術座によって東京都市センターホールで上演されたそうです。ただ、総評、炭労などの労組、うたごえ、労音、労演などの協賛を得て劇団の総力をあげて上演したものの好評ではなかったようです。主人公の新井佐久治が、妻子があるのに別の娘に思いを寄せるが、作曲上の苦悩と合わせてオルグの樺島や仲間のなかで克服されていく、という筋書だったようです。
こちらの『地底の歌=荒木栄の生涯』の原作は山崎欣太で、劇団「橋」創作グループによって改作されています。
主人公は「新井佐久治」ではなく「荒木栄」であり、色恋沙汰の描写はありません。「樺島」はいますが、オルガナイザーというよりは相談相手としての登場です。
作った歌が労働者に受け入れられなかった荒木が、職場に「うたう会」を結成し、沖縄返還大行進のために「沖縄を返せ」を作曲して支持を集めていき、共産党に入党して自分の進む道を確信するものの、三池闘争のさなかに病に侵されてしまい、無理を押しながら争議を闘っていく、という内容で、要所要所で荒木作品の合唱が挿入されます。
現在の感覚からすると、本当にこんな劇が上演され、見にくる客がいたのかと思いますが。
面白いのは面白く、他では見られないので全て紹介したいところですが、全ページはさすがに大変なので一部を掲載します。
プロローグ
三幕六場
















コメント
コメントを投稿