日本青年共産同盟京都地方委員会編集『プロレタリヤ歌曲集』
これまで紹介してきた本は戦前のものでしたが、これは戦後のものです。奥付がなく発行年は不明ですが、日本青年共産同盟が存在していたのが1946年から1949年なので、その間のものということになります(ちなみに、日本共産青年同盟は戦前にあった団体です)。
戦前のものをメインに紹介してきた中で、なぜこれを取り上げたかというと、戦旗社版『プロレタリア歌曲集』改訂増補版と、取り上げられている歌やその順番など、内容が同じだからです。若干の表記のブレはあるものの、横に戦旗社版を置いて見ながら書き写したのであろうと思われます(たとえば「団結の力」の歌詞中で同じ平仮名で「すぱい」と表記されている)。
注目すべきは、戦旗社版の伏せ字の復活を試みている点です。
ただ、「赤旗の歌」の「来れ✕獄絞首台」は本来は「牢獄」ですが、「監獄」としているなど、間違いも見受けられます。
右が戦旗社版、左が日本青年共産同盟京都地方委員会版の「立毛押へに抗して」です。これは『日本の革命歌』でも伏せ字のままにしてありますが、こちらもこのように復活させてあります。果たして「✕✕隊」が「警察隊」で合っているのかは分かりませんが。
75年以上が経過しており、戦後すぐの劣悪な紙なのもあり、状態は極めて悪く、またホッチキスひとつのみで留められてあるために、表紙・裏表紙ともに外れてしまっています。
入手難易度に関しては分かりませんが、これ以外に1回だけ目にしたことがあります。ただ、日本青年共産同盟が出版した本自体が珍しいのは確かです。
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