投稿

3月, 2024の投稿を表示しています

『プロレタリア音楽大会』ポスター

イメージ
  日本プロレタリア音楽家同盟大阪支部主催のプロレタリア音楽大会のポスターです。 縦14.9cm×横8.4cmと手のひらサイズで、ポスターなのか伝単・ビラ・チラシなのかは判然としません。 音楽同盟の機関紙『音楽新聞』第三號(昭和7年4月30日)にこの大会についての記事が掲載されていることから、1932年のものと分かります。 音楽会としての開催が認められず、「プロレタリア音楽についての座談会」に変更をし、なにも演奏が出来なかったようです。 さらに記事の最後に「六月の大音楽會を期待して呉れ」とありますが、『音楽新聞』第五號(昭和7年8月1日)によると、大阪支部第二回音楽會を7月3日に開催する予定で準備を進めていた最中の6月20日に同盟員4名の検束があり、音楽会のためのポスターやビラ、楽譜、資料、壁新聞を押収され、延期を余儀なくされました。 合法なプロレタリア文化運動であっても、如何に活動を抑えられていたかが分かります。 この延期後の大会が行われたかどうかは、手持ちの資料で調べましたが分かりませんでした。

日本青年共産同盟京都地方委員会編集『プロレタリヤ歌曲集』

イメージ
  これまで紹介してきた本は戦前のものでしたが、これは戦後のものです。奥付がなく発行年は不明ですが、日本青年共産同盟が存在していたのが1946年から1949年なので、その間のものということになります(ちなみに、日本共産青年同盟は戦前にあった団体です)。 戦前のものをメインに紹介してきた中で、なぜこれを取り上げたかというと、 戦旗社版『プロレタリア歌曲集』改訂増補版 と、取り上げられている歌やその順番など、内容が同じだからです。若干の表記のブレはあるものの、横に戦旗社版を置いて見ながら書き写したのであろうと思われます(たとえば「団結の力」の歌詞中で同じ平仮名で「すぱい」と表記されている)。 注目すべきは、戦旗社版の伏せ字の復活を試みている点です。 ただ、「赤旗の歌」の「来れ✕獄絞首台」は本来は「牢獄」ですが、「監獄」としているなど、間違いも見受けられます。 右が戦旗社版、左が日本青年共産同盟京都地方委員会版の「立毛押へに抗して」です。これは『日本の革命歌』でも伏せ字のままにしてありますが、こちらもこのように復活させてあります。果たして「✕✕隊」が「警察隊」で合っているのかは分かりませんが。 75年以上が経過しており、戦後すぐの劣悪な紙なのもあり、状態は極めて悪く、またホッチキスひとつのみで留められてあるために、表紙・裏表紙ともに外れてしまっています。 入手難易度に関しては分かりませんが、これ以外に1回だけ目にしたことがあります。ただ、日本青年共産同盟が出版した本自体が珍しいのは確かです。

続 全日本無産者芸術連盟編『プロレタリア歌曲集 第1輯』

イメージ
  謎の本(右のもの)を入手しました。 左の全日本無産者芸術連盟編の『プロレタリア歌曲集 第1輯』は 以前に紹介 しており、「稀覯本には違いなく、古書市場に出回ることはまずないと思われます」などと書きましたが、ほぼ同じものを見つけました。 「ほぼ同じ」ということは、つまり違いがあり、まずはカラーと白黒の差です。さらにサイズがカラー版は縦22.7cm×横15.0cm、白黒は縦22.4cm×横15.9cmと、白黒版の方が横に若干大きくなっています。また、表紙の「全日本無産者藝術聯盟編」の文字や、絵にも違いがみられます。そして、紙質や綴じ方にも違いがあります。 中身に関しては奥付など含め完全に同じになっています。 白黒版は一体なんなのでしょうか。 1928年当時に出された別刷りなのか、それとも後に出された復刻版なのか。 復刻版だとしても、紙の状態などからカラー版と同程度の年数を経ていると思われます。 幻の本であるが故に、言及した資料もあまりなく、解明には至っていません。

続『左翼右翼宣伝歌調』

イメージ
  『左翼右翼宣伝歌調』については、 以前に紹介 しておりましたが、以降、更に2冊を入手しました。 決して安いものではなく、不必要といえば不必要なのですが、内容に違いがあったり、興味深い書き込みがある可能性があるので、他の本にしろ、珍しいものは見つけるとつい購入をしてしまいます。 結果的には、なんら目新しい点はありませんでしたが。 20年以上探求してきて1冊しか巡り会えず、まさに稀覯本のうちかと思っていましたが、官憲側のものは発禁・取り締まり対象になるわけでもなく、それほどレアなものではなかったのかもしれません。 さすがにこちらは購入はしていませんが、日本の古本屋でも、昨年からオンデマンド版の復刻版が3000円で売られております。