投稿

3月, 2025の投稿を表示しています

『禁止せられたる社会主義宣伝歌(大正十二年以降)』

イメージ
  どこの誰がいつ作ったものか(もちろん戦前の権力側には違いありませんが)、手掛かりがなにもない、表紙・裏表紙含めて30ページの冊子です。 薄い紙をホッチキスひとつで留めただけの、簡易な作りとなっています。 『禁止せられたる社会主義宣伝歌』というタイトルは、以前に紹介した 『自大正七年至昭和三年』 と同じですが、こちらは大正12年以降のものに限られています。 曲目は以下の通りです。 (下線) は歌い出し部分です。 ・革命歌 (嗚呼革命は近づけり) ・鐘ヶ淵紡績女工の歌 (あれ見よゝたらりゝ) ・農村革命の歌 (無智と笑はれさげすまれ) ・革命歌 (赤旗一度破れば) ・労働歌 (白虹天を貫ぬきて) ・労働歌 (ドンランアクナキ資本家ノ) ・ブチコロセ (いざやっ付けろ喰ひ付け) ・赤旗の歌 (民衆の旗赤旗は) ・革命安来節 (春が来やうが 冬寒むからうが) ・水平歌 (あゝ解放の旗高く) ・悲しみの深き日よ (東雲のあけぬまに) ・ヤツ付ケロ節 (弱者ノ血肉ヲ吸ヒ取リテ) ・分からない歌 (あゝ分らない分らない) ・ロードウ運動(モモタロー歌) (モモカラウマレタモゝタロー) ・もしゝかめよの歌 (もしゝかめよかめこうよ) ・ラッパ節 (貴婦人の頭に光るは) ・復讐の歌 (亀戸の森の夜は更けて) ・宣傳歌 (小作百姓の戦術を) ・労農党宣伝歌 (一致団結赤旗立て) ・労農ロシア (都の真中千代田の森に) ・告別の歌 (噫々我が愛する同胞よ) ・朝鮮革命歌(邦訳) (吾等は何時まで屈するや) ・黒殺の歌 (復讐の剣胸に秘め) ・宣傳歌(ワシントンの譜) (黒旗高く打ち振って) ・弾圧の斧(赤旗ノ節) (弾圧の斧ひらめきて) ・東京青年同盟の歌 (同志よ固く結べ) ・復讐の唄 (二八の日恨みの日) ・「テロリスト」の唄 (我等は宥さす無産者の) 『禁止せられたる社会主義宣伝歌(自大正七年至昭和三年)』と被っているものが多くあり、「朝鮮革命歌」や「黒殺の歌」など、この2冊でしか確認出来ない歌が多数あります。 そして、この『大正十二年以降』版にのみ載っているものがあり、『日本の革命歌』にも未掲載であり、新発見と思われるので紹介しておきます。 「ヤツ付ケロ節」(大正十二年五月十二日禁止) 弱者ノ血肉ヲ吸ヒ取リテ ソシテ贅沢サラス奴 彼奴此奴ノ容赦ナク 片ツ端カラヤツ付ケ...