『前哨の歌』

『前哨の歌』NO1 昭和8年○月○日発行(表記なし) 編者 日本プロレタリア音楽家同盟 発行所 P.M出版部 定価 5銭 『前哨の歌』第2集 小林多喜二追悼特集 昭和8年4月16日発行 編者 日本プロレタリア音楽同盟 発行所 日本プロレタリア音楽同盟出版部 定価 3銭 日本プロレタリア音楽家同盟の末期に出された歌曲集です。 NO1の次号予告では「二月末発行の予定だ!1.団結の力 2.ワルシャワンカ 3.芝浦 4.鐘が鳴れば」となっていますが、小林多喜二の虐殺を受け、発行日や収録曲も変更になっています。 プロレタリア文化運動自体の体力もなくなってきた時期で、NO1に使用されている紙質もかなり悪いものですが、第2集はさらにひどく、触れるだけで欠けてしまうような紙が使われており、よく90年近くも残ったものだと思います。 私が所有している『前哨の歌』はこの2冊のみですが、シリーズとしては5集まで出版されており、 NO4は国立国会図書館デジタルコレクションで見ることが出来ます。 従来は4集までの発行と思われていましたが、私の所有する 『コップ第三回拡大中央協議会への報告書(草案)』 によって、5集が1933年10月に発売されていたことが新たに分かりました。 1933年5月24日に出された『PMニュースNo.6』によると、印刷部数は第1号が423部、第2号が377部、第3号が400部とのことです。 余談ですが、私が今までに購入した全ての古書の中で、最も高価だったのがこの『前哨の歌』第2集です。